創造性を刺激し、一人ひとりが新しい働き方の創り手へ
ITOKI NAGOYA DELA
創造性を刺激し、一人ひとりが新しい働き方の創り手へ
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Design Concept

ABWを導入し、働き方とオフィスをリニューアル

—はじめに、中日本支社で行った1度目の全面改修について教えてください。

杉田:1度目の全面改修は2020年に行いました。当時の主な課題は、部署によってグループアドレス、フリーアドレス、固定席……と働き方が異なっていて、部署間のコミュニケーションが取りづらかったこと。また、イトーキが推奨しているABW(Activity Based Working)(※1)が小規模なオフィスでも成立することを自らが実践しつつお客様にも体験していただけるように、中日本支社を「体感型ショールーム」としてリニューアルすることに踏み切りました。

そして完成したのが、オープンな空間で働く人びとの動線が自然と交わる「Cross × Cloth」というコンセプトのオフィスです。偶発的な出会いによりコミュニケーションが活性化し、従業員同士の信頼関係が築かれていきました。徐々にABWも浸透し、3年が経つ頃には自らがいつ、どこで、どのように働くか選択できるようになっていましたね。

※1 オランダのワークスタイル変革コンサルティング企業 Veldhoen + Company の研究により作られた考え方で、イトーキは同企業とABWのビジネス展開について業務提携を結んでいます。

バージョンアップしたABWに挑戦するべく、2度目の全面改修へ

—そこから更に改修を行なった背景を教えてください。

杉田:ABWの実践を経て、与えられた選択肢の中から選ぶだけでなく、より自由に働き方をデザインできる「バージョンアップしたABW」に対応したオフィスが求められるようになったのです。この変化を受けて、「Try, Try, Try」を合言葉にそこで働く我々が積極的に新しい働き方・オフィス構築に参加するプロジェクトが始動。2024年に「ITOKI NAGOYA DELA」が完成しました。

名称は、フランス語で「その先へ」を意味する「DELA」と、DESIGN(働く人びとが主体で働き方や働く場所を創意工夫する)、LEARNING(学びを活かし、学びを得る)、ART(意欲を掻き立てるアート)の頭文字、名古屋の方言の「でら(凄い)」を掛け合わせています。

そして、これらのオフィスならではの学びや体験を通じて、働く人びとが生産性や幸福を実感し、自然と足を運びたくなる場所を目指しました。

新しい働き方と、働く人びとの意欲を促す仕掛けの数々

—新オフィスの特徴、こだわった点を教えてください。

杉田:象徴的なのは、オフィスの半分を占める「STUDIO」です。自由に家具を動かせるエリアで、働く人が自らレイアウトを変更できるだけでなく、働き方も自在にデザインできます。

橋本:更に、STUDIOには壁面のアートを導入しました。これは私たち3人の希望で、名古屋出身のアーティスト・WOK22に制作を依頼しました。現在から未来へ進み挑戦するパワーが込められた力強いアートは、空間的にも映え活気をもたらしています。

杉田:実際に、このアートが持つパワーが空間全体に波及して、従業員の表情や話し方が活き活きしたり、服装まで軽快になったり……といった変化がありました。改めて、アートには人のモチベーションやテンションを高める効果があることを実感しましたね。

前野:プロジェクトの合言葉「Try, Try, Try」を形に残した「What will you try3?」のネオンサインも、目にした人を鼓舞させるパワーがあると感じています。こうして働く人びとに伝えたいメッセージをデザインに落とし込むことで、社内外に自分たちらしさを訴求できるのではないでしょうか。

杉田:インテリアについては、アートを引き立てるために色数を抑え、床は建物の歴史が詰まったモルタル床をそのまま採用しています。

前野:もとある建物の特性を活かしたかったので、大通りに面した全面ガラス窓も残しています。外と地続きのような開放感と明るさがお気に入りです。

橋本: オフィスの奥に位置するリチャージスペースは、STUDIOとは対照的に落ち着いた和テイストの雰囲気にし、明るさも抑えました。働く人の行動や気分に寄り添えるようにメリハリある照明にこだわっています。

前野:また、床レベルを3段階に設定している点も特徴です。エリアによって視点の高さを変えることで、働く人びとがより豊かな空間体験を得られるよう工夫しました。

働く人びとが主体となって働き方をデザインするオフィスへ

—リニューアルの成果、今後の展望を教えてください。

杉田:オフィスの自由度が上がったことで従業員が顔を合わせる機会が増え、笑顔もコミュニケーション量も増え、お互いが「気づきあえる」関係になってきたように思います。

前野:自然とお客様のアテンドの仕方が変化するなど、オープンなオフィスになったことで固定観念に囚われなくなったように感じます。

杉田:そうですね。この場所が実際にここで働く我々によって自走していることを実感できています。まさに、イトーキが掲げるミッションステートメント『明日の「働く」を、デザインする。』を体現するような、一歩先の働き方を提示するオフィスになったのではないでしょうか。

これからは働く場所としてだけでなく、STUDIOなどを活用しながら、従業員同士が学び合える場所を目指していきたいです。

Details
Client

ITOKI NAGOYA DELA

ミッションステートメントに『明日の「働く」を、デザインする。』を掲げ、人を中心に据えた「空間」「環境」「場」づくりを行うオフィス家具メーカー・ITOKIのワーキングショールーム。地方企業における人材確保と働き方改革の先進モデルとして、これまでの働き方をアップデートさせた最新のワークスタイルを実践・提案。社員一人ひとりがワークスタイルやワークプレイスの創り手として積極的に新しい働き方を試し、挑み、高め合うことで、社員のエンゲージメント向上と生産性向上につなげるとともに、実践を通じた知見に基づくお客様への付加価値提案を行っている。

Data
所在地
竣工
面積
人数
愛知県名古屋市
2024年1月
816㎡
64人
所在地 愛知県名古屋市
竣工 2024年1月
面積 816㎡
人数 64人
「働く」のトレンドをつくる。

私たちがデザインするのは、オーダーメイドのワークプレイス。

働く人びとにとって、
「居心地のよい空間」とは?
「最高のパフォーマンスが発揮できる空間」とは?
「コミュニケーションが生まれる空間」とは?

ワークスタイルに正解がないように、
ワークプレイスの在り方も自由自在。

お客さまとつくるデザインの先に、「働く」のトレンドを創造します。

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