未来の働き方を描く新拠点
ITOKI DESIGN HOUSE 11F
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Design Concept

明日の「働く」を、デザインする「ITOKI DESIGN HOUSE」誕生

—この度、イトーキの本社オフィス兼ショールームの名称を「ITOKI DESIGN HOUSE」へ変更されました。はじめに、この名称変更の背景を教えてください。

西岡: イトーキの本社オフィスは、2018年に本社を移転した際に、本社機能とショールームの役割を持つ「ITOKI TOKYO XORK」として設立しました。3フロア(11階、12階、13階)で構成されており、働き方や働く人々のマインドの変化を捉えながら、2022年に12階を、2023年に13階を改修してきました。そして、2024年11月に11階の改修を終え、全フロアのリニューアルが完了。さまざまな働き方を「実践」するフェーズから、新しい働き方を「デザイン」するフェーズへの移行を表す象徴として、今回「ITOKI DESIGN HOUSE」に生まれ変わりました。

名称の由来として、「DESIGN」は、その対象を限定せず、新たな価値が生まれる可能性を。「HOUSE」は、国内外のゲストを広く迎え入れ、多様な視点や発想を受け入れる当社の姿勢を表しています。

岩松: そんな「ITOKI DESIGN HOUSE」の顔となるエントランスは、外装材を使用することで外との隔たりをなくし、誰もが入りやすい開かれた空間としました。これは、来館されるお客様や新しいアイデアを歓迎するとともに、働き方の多様性を広げる場であることを意識したデザインです。

香山:また、社内外のコミュニケーションを活性化する場として、エントランスと同様に外装材を取り入れた「ワークテラス」も新たに設けました。社内メンバーがコミュニティーマネージャーとなってコーヒーを提供するカフェも併設することで、より一層シームレスな交流を促しています。

柔軟で機動的な働き方を支える空間デザイン

—11階は、どのような方針で改修されたのでしょうか。

香山: 11階のコンセプトは「活動×居心地×機動性」です。私たちは、コロナ禍を経て働き方の多様化に直面し、オフィスの在り方を模索してきました。その実践と検証を繰り返す中で、この3つの要素のバランスを重視することが、これからの働き方に必要だと考えるに至りました。

そこで11階では、12階と13階での実証実験の結果を踏まえ、チーム単位での働きやすさや居心地の良さをさらに追求。コンセプトを象徴する家具として、Centra(セントラ)とローディバイダー、ハイディバイダーという製品を商品企画チームとともに開発しました。

槌田: Centraは、個人ワークとコミュニケーションを自然につなげ、人が集まり思い思いに過ごせるオフィスの中心地となるビッグテーブルです。モックアップを用いて、天板の形状や角度、人と人との距離を検証しながら開発しました。

岩松:ハイディバイダーは、パンチングメタルの壁で視覚的なつながりを保ちながら、空間をゆるやかに仕切るプロダクトです。収納や展示にも活用でき、オフィスのニーズやトレンドの変化に応じて、使い方を柔軟に変えることができます。

香山: そして、空間デザインを通して機動的に活動しやすい環境を実現するために重要な要素の一つが、データドリブンな運用です。例えば、オフィス内の人の動きや利用頻度、座席の稼働状況などのデータを収集・分析し、事前と事後の両面から効果測定を行うことで、働きやすさや生産性を最大化する空間デザインを実現しています。

デザイン性と居心地の良さを両立するインテリア

—続いて、インテリアのこだわりを教えてください。

岩松: オフィスは仕事に必要な設備が揃っていて「働ける」だけでなく、そこで働く人々の五感を満たし、「働きたくなる」空間であるべきだと考えています。

香山:実際に、12階と13階で実施したインテリア性を重視した改修によって、従業員満足度が向上し、退職率低下や採用活動の成果にも繋がっています。

小林:今回は、我々空間デザイナーが製品の開発から携わったこともあり、家具の素材選定からとてもこだわりました。例えば、Centraの天板はスペインの石材店まで赴き、質感やカラーリングなど実際に現地で触れて調達してきたものです。

福島:他にも、あえてオフィスではないカフェなどの事例から着想を得たり、海外ブランドのガーデンファニチャーを採用したりすることで、11階のイメージを刷新しました。特にニュアンスカラーを基調とした空間は、従来のオフィスの無機質さを感じさせず、居心地の良さを演出できたのではないでしょうか。

香山:これらの選定は、これまでにない新しいオフィス像を提示する狙いがあります。また、オフィスは長時間滞在する空間なので、居心地の良さは欠かせない要素です。デザイン性を追求しつつも、落ち着きや快適さを兼ね備えた空間であることが、働く人のパフォーマンス向上に繋がると考えています。

オフィスに「完成」はない。常に今の100点を目指して

—最後に、今後イトーキが目指すオフィスの在り方についてお聞かせください。

西岡:今回の改修は、機能性と居心地をいかに両立させるか、が課題でした。働く人にとって快適な空間を実現するためには、デザインだけでなく運用面も見据えた設計をする必要があります。

例えば、床の段差やローディバイダ―を取り入れて空間を程良くつなぎながら仕切ることで、一つひとつの活動が際立ち、生産性の向上やコミュニケーションの活性化が期待できます。これは、開けた空間では気が散ってしまう、チーム単位で集まりづらい、といったレビューを反映した結果です。

槌田: 働き方がますます多様化する中で、企業ごとに目指すべきオフィス像も三者三様です。そのため、お客様に1つの解を提示するのではなく、オフィスづくりのプロセスを重視し、お客様と一緒に新しい働き方をデザインしていきたいと思っています。

香山:働き方は日々変化していくため、オフィスに「完成」という概念は存在しません。今後もデータの収集、分析に加え、ライフスタイルや顧客ニーズの変化、デザイントレンドなどもいち早く捉えながら、その時々の働き方に適したアップデートを行い、常に100点を目指していきたいと考えています。

Details
Client

ITOKI DESIGN HOUSE 11F

ミッションステートメント「明日の『働く』を、デザインする。」を体現する、イトーキの本社オフィス兼ショールーム。「活動×居心地×機動性」をキーワードに、テクノロジーとデザインを融合させた最適なオフィス環境を追求し、訪れる国内外のゲストにこれからの働き方のヒントを提供する。

Data
所在地
竣工
面積
人数
東京都中央区
2024年11月
2,000㎡
1,157人(2024年11月時点)
所在地 東京都中央区
竣工 2024年11月
面積 2,000㎡
人数 1,157人(2024年11月時点)
「働く」のトレンドをつくる。

私たちがデザインするのは、オーダーメイドのワークプレイス。

働く人びとにとって、
「居心地のよい空間」とは?
「最高のパフォーマンスが発揮できる空間」とは?
「コミュニケーションが生まれる空間」とは?

ワークスタイルに正解がないように、
ワークプレイスの在り方も自由自在。

お客さまとつくるデザインの先に、「働く」のトレンドを創造します。

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