エプソン様は、ビジネスパートナーの課題解決に伴走する場として、法人向けのソリューションセンター「Epson XaILab」をオープン。本プロジェクトではイトーキとユニオンテックが協業し、イトーキは全体ディレクションと執務エリアを、ユニオンテックはエントランスやショールームの設計・施工を担当した。
豊かな未来をエプソンの技術が彩る
はじめに、本プロジェクトの背景と、拠点名に込めた想いを教えてください。
西田:本プロジェクトは、丸の内で展開していたショールーム施設「エプソンスクエア丸の内」で培ってきた体験型の情報発信や対話の考え方を発展させ、法人向けのソリューションセンターへ転換するものでした。パートナーと共に新しいビジネスを生み出し、販売へ直結させる戦略的な場として、空間の役割を再構築する必要がありました。
岩松:拠点名の「Epson XaILab(エプソンサイラボ)」は、イトーキのブランドチームから複数の名称やロゴ案をご提案し、エプソン様の社内投票を経て決定したものです。「XaI(サイ)」は「彩」に由来し、ここから生まれる多彩なビジネスを象徴しています。このコンセプトを具現化するため、私たちはエプソン様の主力製品であるプリンターのインクや、プロジェクターの光を雫に見立て、デザインのモチーフに設定しました。
空間のストーリーとして描いたのは、「一滴の雫が川となり、やがて海へと広がり、地球を豊かにしていく」という自然が循環する様子です。ここで生まれた一つひとつの閃き(雫)が結集し、やがて世界を豊かにする大きなビジネスの流れを生み出していく。そんな願いを込めています。
ロゴ コンセプト
彩やかに輝き続ける光
輝き続ける光のように、この空間において、新しいひらめきやイノベーションが
とめどなく生まれ続けるイメージ。
常に新しい可能性を照らし出す XaILabの姿勢を表現。
また、大文字になっている、XaI の「I」は 個人の「I」と
「Innovation」の「I」を意味しており、個人単位のひらめきが
XaILabを通して世の中を巻き込むような大きな光(Innovation)となるように。
創業地の豊かな自然×最先端のソリューション
その世界観を、空間デザインにどう落とし込みましたか?
岩松:インテリアのトーンは、エプソン様の創業地である信州の澄んだ自然をテーマにしました。清流を思わせる青緑やグレーを基調に、温かみのある木や透き通ったガラスといったマテリアルを重ね、有機的な空間を演出しています。ベースとなる空間をニュートラルに整えることで、そこを行き交う人々の活気や、空間を彩るエプソン様の技術そのものが浮かび上がるように意識しました。
西田:特徴的なのは、空間を構成する素材の中に、エプソン様の技術がそっと息づいている点です。たとえば、エリアを仕切るカーテンには昇華転写、エリアサインにはUV印刷、という技術が使われています。それぞれXaILabオリジナルデザインを採用しており、空間を彩ると同時に「実は布やアクリルにも印刷できるんです」といった会話が自然と生まれ、そこからビジネスのきっかけとなるような仕掛けを随所に施しています。
お客様も従業員も心地よく過ごせる空間へ
ショールームとオフィスを両立させるうえで、大切にしたことは何でしょうか。
樫尾:共創ゾーンの一部である執務エリア(ワーキングショールーム)では、完全なショールームのように「整えて見せる」ことよりも、社員の皆様が生き生きと働くありのままの空気を感じていただくことを大切にしました。飾らないリアルな光景こそが、お客様の共感や信頼につながると考えたからです。
そのために、「距離感」のデザインには特にこだわっています。来場されるお客様と、集中して働く社員、双方が心地よく過ごせるよう、視線の抜けや通路の余白を検討。緩衝帯となる背の低いベンチを設けることで、ご案内の途中で立ち話をしたり、偶発的なコミュニケーションが生まれたりと、心地よい距離感を保ちながら、自然な対話が生まれるワークプレイスを目指しました。
チームの技術と想いを結集し、心に残る体験を
本プロジェクトで印象に残っているエピソードはありますか?
西田:プロジェクトの象徴ともいえる、イマーシブシアターについてです。360度映像に囲まれた空間を実現するため、施工難易度の高い正円の壁を採用。ユニオンテックのクラフトマンシップと、我々の空間設計、そしてエプソン様による映像調整技術。それぞれの知見や技術が結集することで、没入感のある空間を作り上げることができました。
樫尾:多数のプロジェクターを用いながら映像と空間を一体で設計することは、イトーキにとっても挑戦的な取り組みでした。エプソン様と連携し、繊細なシミュレーションを重ねることで、ハード(空間)とソフト(映像)が溶け合うような体験を創出できたと思います。
岩松:運用面まで踏み込んで対話を重ねた今回のプロジェクトは、施主と施工主という枠を超え、「コラボレーション」と呼ぶにふさわしい経験でした。空間デザインとソリューションが融合したこの場所が、エプソン様とお客様をつなぐ架け橋となり、ここから数多くの新しいビジネスが生まれていくことを願っています。
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