ジャンクションをイメージした唯一無二のエントランス
—まず、エントランスが印象的ですね。
合原:IDOM様の「見たことのない驚きや新しさで来訪者にインパクトを残したい」「訪れた人に明るい印象を与える空間にしたい」という思いと、自動車流通を軸に事業展開をしているIDOM様らしさを「JUNCTION」というデザインコンセプトに落とし込みました。
大西:なかでも象徴的なのは、オブジェのように設置したスロープと金網ですね。エントランスは道路が合流するように人々がそれぞれの目的地に向かうために集まる場所なので、ジャンクションの曲線や重なり、アウトドア要素を踏襲しています。
合原:短納期かつB工事が制限されている状況下でしたが、IDOM様とイトーキで積極的に新しいことにチャレンジし、他にはないエントランスをつくることができました。
オフィスを1周する「ROAD」を通し、回遊性を高める
—続いて、執務エリアのこだわりを教えてください。
合原:オフィスを1周できる1本道を通していることが最大の特徴です。これはコンペ時からご提案していたアイデアで、広いフロアを生かしながらオフィス内を自由に動き、活動に合わせ働く場所を選びやすくすることを目的としています。そして、プロジェクト始動後に決定した「DRIVE(- My Work, – My Future).」というオフィスコンセプトになぞらえて、オフィスをドライブする「ROAD」と定義しました。
大西:カーペットは石畳をイメージしたグレーを中心に、ポイントカラーを散りばめて楽しげな雰囲気を演出しています。
合原:そうして1本道が通っているオフィスの中央には、ドライブインをイメージしたカフェエリアを配置しました。オフィス内を移動するついでに気軽に立ち寄れるので、食事を摂るだけでなく、コミュニケーションの場として活用いただいているようです。
限られた時間のなかでも、こだわりの詰まったオフィスへ
—最後に、スピーディな対応が鍵だったと伺いました。
合原:はい。設計期間が限られていたので、極力スプリンクラーを増設せずに済むように居室を設計したり、天吊りのパラペット(※)を天井工事が不要な重量にまで軽量化したりと、防災工事や天井工事を減らす工夫をしました。IDOM様がもともとお持ちだった家具も、新しいオフィスになじむ形で転用させていただいています。
そして、なによりもIDOM様のプロジェクトメンバーの方々の意思決定が早く、スムーズに進行できたことが大きかったです。複数のエリアを同時に設計するようなタイトなスケジュールでしたが、エントランスの目玉となるスロープや金網、植栽プランターやベンチなどの造作家具を20点ほど制作することもできました。
※エントランスに吊るしている円形の装飾のこと。
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