異なるものがつながる、「間」のデザイン
三井情報株式会社
異なるものがつながる、「間」のデザイン
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Design Concept

三井情報株式会社の本社移転プロジェクトにおいて、イトーキはコンセプト策定から設計、施工までを一貫して手がけた。

人材獲得と働き方の再定義を見据えた「会社でしかできない場所」へ

はじめに、今回のプロジェクトの背景を教えてください。

合原:三井情報様から「自社ビルの老朽化をきっかけに、都内に分散していた3拠点を1棟へ統合したい」というオーダーをいただきました。さらに3つの拠点をひとつに集約することで、組織を横断したナレッジの共有や、会社としての一体感を高めたいという意向もありました。そこで私たちは、単なる執務空間ではなく、人と人、人とナレッジがつながり、新たな価値創出を促す「コラボレーションの場」としてのオフィスを提案しました。

設計そのものはプロジェクトの早い段階で合意が得られていました。ただ、そこで終わらせず「どういう働き方がしたいか」という付加価値の提案を続けました。三井情報様の社内で「働き方」に関するグループワークが行われていた背景もあり、さまざまなアイデアやレイアウトの検討を重ねられた結果、最終的に「グループアドレス運用」という答えをいただきました。

異なる知が交わる「間」をデザインする

空間全体を貫くコンセプト「/ in between」には、どんな考えが込められているのでしょうか。

合原:一般的にイノベーションとは、既存のアイデアとアイデアの組み合わせから生まれるものだと言われています。異なる知識や人が「/(スラッシュ)」を介して交わることで、新しい価値が立ち上がる。その思想を空間に落とし込んだのが「/ in between」というコンセプトです。三井情報様がパーパスに掲げる「ナレッジでつなぐ、未来をつくる」とも重なる考え方でした。

社内と社外、組織と個人、ONとOFF。異なるものが交わる「間」をデザインすることで、コミュニケーションとイノベーションが自然に生まれる場を目指しました。2階から4階を交流エリア、5階から10階を執務エリアと大きく分けたうえで、フロアごとに「地域/企業」「ON/OFF」「組織/個人」と別々のコンセプトを持たせています。あえてフロア間の統一感を出さないことで、異なる文脈が交わる場をつくりました。

フロアごとに表情を変え、動きながら働く空間へ

2階から4階は交流エリアと伺いました。まず2階の設計意図を教えてください。

海老原:2階は街に開かれた「外とのつながり」の空間です。表参道という立地を意識して、より外部の雰囲気を自然に中へと取り込むためにタイルや左官、スチールなど街で使われている素材を基調にインテリアを構成しています。また、外部と内部両方からの視線が行き交うための装置として鏡面天井を採用し、外とのつながりを表現しました。

エントランスはイベントにも利用できる広さを確保し、社内外での交流に備えた設えとしています。また今回社名ロゴが変更になることを受けて、旧ロゴの封筒の廃素材をアップサイクルし展示台として作り変えることで、今までの企業のストーリーの一部を空間に取り入れる試みも行いました。

鏡面天井は、外からの見え方や季節ごとの光の角度の検討等のシミュレーションを何度も重ねた末に行き着いた選択です。施工の難易度も高かったのですが、建設会社様のお力添えもいただきながらこだわって仕様を決めていきました。外部セミナーやポップアップイベントなど社内外が自然に交わることができるスペースを実現しています。

3階はどのようなフロアになっていますか。

大西:3階は居心地の良さを感じられる「街の広場や小道」をイメージしています。ピンクやオレンジを取り入れた温かみのある色づかいと、多様な家具のパターンで構成して、誰もがお気に入りの場所を見つけられるレイアウトにしています。

さらに組織をイメージしたアートを採用して「ナレッジでつなぐ、未来をつくる」というメッセージを表現しています。
また、素材に関しては2階と共通性を持たせつつも「木」の割合を増やしました。そうすることでフロア間の連続性を保ちつつ、2階のシャープな印象とは異なり、上品で居心地のいい空間を演出しています。

4階はどのような考えで設計したのでしょうか。

合原:4階はONとOFFが共存する、個室のない「大きな原っぱ」です。個室を一切つくらず、BAR・CAMP・PARTY・LIBRARYと名付けた空間が同じフロアに共存しています。好きな遊具を選ぶように使ってもらうイメージで計画しました。社内パーティーから社外との交流まで、多様な用途に対応できる柔軟なレイアウトです。

また3枚のパネルアートも飾っており「未来をつくる」という社員向けのメッセージを込めています。

5階から10階の執務エリアは、どのような考えで設計したのでしょうか。

中川:基準階のレイアウトを6つのフロアに展開し、各フロアにR・G・B(レッド・グリーン・ブルー)の光の三原色を割り当てました。RGBはデジタル上で色を表現するときの基本となる考え方で、情報を扱うIT企業らしさを色彩で体現するのにふさわしいと考えました。フロアごとに色が変わることで視覚的にもリフレッシュでき、さらに人が集まるエリアの設えをフロアごとに変えることで、オフィス全体を人が回遊する仕掛けにしています。

また、内装はほかフロアとのメリハリを意識し、最小限に留めています。家具選びと色選びには徹底的にこだわり、5ブランドのマテリアルを並べて比較しながら、パズルのように組み合わせています。
グループアドレスの運用に向けては、席数と働きやすさのバランスを丁寧に調整しました。三井情報様とコミュニケーションを積み重ねながら、最適な設計を詰めていきました。

「会社でしかできないこと」が、動き始めた

運用開始後の変化と、今後の展望を聞かせてください。

大西:三井情報様から「4階のCAFEBARを起点に社内イベントが生まれている」と聞いております。また取引先から「オフィスを見学したい」という声が増えたり、採用応募数が伸びたりと、社外からのいい反響にもつながっているようです。

合原:社内のコミュニケーション活性化・クライアントからの信頼向上・採用候補者へのアピールという3つの側面で、リニューアルの効果が出始めているようです。本プロジェクトの目的でもあった「会社だからこそ得られる体験」を生み出す空間として、一定の役割を果たせているのではないでしょうか。

海老原:低層階を街に開かれたつくりにしたのも、社外との接点を生みたいという三井情報様の思いからです。今後はこの場所を起点に、地域や社外との新しいつながりがさらに広がっていけば嬉しいですね。

Details
Client

三井情報株式会社

コンサルティングから開発・構築、運用・保守、クラウドサービスまでを一貫して手がけ、幅広い産業の事業戦略パートナーとしてお客様のIT戦略を支援している。「ナレッジでつなぐ、未来をつくる」をパーパスに掲げ、長年培った技術と知見を活かして新たな価値の創出に挑み続けている。

Data
所在地
竣工
面積
人数
東京都港区
2026年2月
11042㎡
約1900人
所在地 東京都港区
竣工 2026年2月
面積 11042㎡
人数 約1900人
「働く」のトレンドをつくる。

私たちがデザインするのは、オーダーメイドのワークプレイス。

働く人びとにとって、
「居心地のよい空間」とは?
「最高のパフォーマンスが発揮できる空間」とは?
「コミュニケーションが生まれる空間」とは?

ワークスタイルに正解がないように、
ワークプレイスの在り方も自由自在。

お客さまとつくるデザインの先に、「働く」のトレンドを創造します。

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